身元保証とは?
病気で入院する際や、老人ホームに入所する際、身元保証を求められることがあります。
これまでは家族や親族がその役割を担ってきましたが、高齢化の進展や核家族化に伴い、高齢夫婦世帯また、身寄りのない単身高齢者が増えるにつれて、身元保証人を用意できないという問題が起こります。
そこで、家族や親族に代わって様々な支援を受けるサービスのことをさします。
なぜ身元保証が必要
具体的には、医療についての方針の確認や、緊急時の対応、入退院の手続き、本人がご逝去した後に必要となる対応を求める事ができるようにしておくなど様々な場面が考えられます。
身元保証が必要となる人とは
上記で書いた高齢者夫婦やお一人世帯の他には、子供がいるが遠方に住んでいたり、子供と関係が悪い、疎遠など、信頼して全てをお願いできる人がいない場合に身元保証人が必要になる可能性があります。
身元保証人の具体的な役割
- 定期訪問や連絡で本人の状況確認や見守り業務
- 緊急の連絡先
- 病院や施設の入院費・利用料金の支払い
- 住居の引っ越し
- 医療行為の同意
- 亡くなった後の手続き
など、多岐にわたって考えられます。
身元保証を民間に頼むメリット・デメリットを教えて
◎メリット
身元保証人を探さなくてもいい
突然の入院や事故、また高齢者夫婦の場合、認知症になると身元保証人となれないことがあります。そんな時でも安心して入院や施設に入所できます。
専門家に聞ける
終活や公正証書、遺言などネットで調べるとたくさんの情報がでてきますが、実際なにからすればいいかわからない。そんなお悩みもあるのではないでしょうか。サービスを利用することで、聞いたり、一緒に準備することもできます。
子供や家族・親族に負担をかけずにすむ
子供が遠方に住んでいる、または疎遠だった場合、頼みにくい場合もでてきます。また家族・親族でも同年代で身体が不自由など、様々な問題が考えられますが、そのあたりも気にする必要がなくなります。
◎デメリット
費用がかかる
利用するサービスや民間の団体にもよりますが、子供や親族に依頼するより費用がかかります。
民間の会社が独自のルールで身元保証を行っている場合が多い
身元保証会社ではルールや契約書等がないため、独自のルールで行う事も少なくありません。
過去には、契約者から預託していた金銭を事業に流用し、破産した事例もあります。
身元保証と後見人の違い
ここまで身元保証の内容を説明しましたが、似ているようで異なる後見人との違いをみていきます。
身元保証人 | 成年後見人 |
法律上の規定なし | 法律上の規定あり |
本人が自ら身元保証人を選ぶ | 家庭裁判所が選任を行う |
契約において死亡後も手続きを行える | 本人がなくなると代理権も終了する |
上記のような違いがありますが、わかりやすくすると、本人に判断能力の有無で変わっていきます。
身元保証サービスの課題
高齢者の増加に伴い、身元保証サービスも増加傾向にありますが、その一方で下記のようなトラブルの報告もあります。
- 契約したサービスが提供されない
- 高額な費用を請求された
- 解約方法がわかならいなど・・・
身元保証サービスの選び方
- 疑問があれば担当者にしっかり聞いて、解決する
- 自分に必要なサービスを明確化する
- 評判やホームページを調べる
- 破綻した時など、何かあった時の対処などを聞いておく
- 契約内容や、サービスを把握する
様々なサービスや民間の会社がありますが、大切なのはしっかり理解して、わからない事は契約する前に専門家に相談することをおすすめします。